ある閉ざされた雪の山荘で

2024年作　　邦画　109分

元劇団員による復讐ストーリ。中盤ハラハラする‼︎

4月ってこんなに暖かったけ？という位、半袖でも過ごせるほどです。最近、仕事終わりにフライドポテトとコーヒを飲むのが日課になりつつあります。

被害者役はオーディションから脱落するのか？

間宮祥太朗さんが出演していたので見てみることにしました。原作は東野圭吾著の同名小説です。新しい芝居のオーディション選考を山荘で最終選考するという奇抜なもので「大雪で閉ざされた山荘で殺人事件が起こる」という設定でオーディション選考に残った男女７人の中で殺人事件を解決した者が次回の芝居の主役になれるというもので次回作は探偵が主役の作品らしい。豪雪により外部には連絡ができない中、4日間過ごさなくてはいけないという長期戦です。4日間は長すぎだろ！！というのとネットも使っちゃダメというのも苦痛すぎる！！しかも、部屋中に監視カメラがついており、誰が何をしているかが常に把握されている状態。私には無理だ・・・。苦痛すぎる・・・。そして第1殺人が起きます。笠原温子が被害者。ヘッドホンをしてピアノを弾いていた所を後ろから、何者かに絞殺されたという設定。設定なので被害者はどうやって、首謀者に被害者になってくれる？と知らされたのか？という疑問が出てきます。被害者になった人物は表れない事からオーディションから脱落したということ？なのかという事も不明。温子は「水滸」劇団の中でリーダー格の人物である事と、主催者である東郷とは劇団あるあるの演出家と劇団員の仲であったことから主役を断念するとは考えられないと田所は言っています。しかし、遺体もないことから、やはりオーディションなのだろうと皆は納得します。そして翌日に第2殺人が起きます。被害者は笠原と同室であった元村由梨江。花瓶で撲殺されたという設定です。部屋には血が飛び散っていたが匂いで血糊だと断定。「ふむふむ」と皆でリビングに集まると、そこには血が付着した凶器と見られる花瓶が・・・。しかし、なぜ凶器の花瓶がここに・・・？という疑問が湧き血糊かどうかを確認すると鉄の匂いが・・・。「本物の血だ！！」ということになり、これは本当に殺害されたのではないか？という疑惑が持ち上がってしまうのです。結構ハラハラ・・・。しかし、遺体はないのだ・・・。どういうこと？

殺害を実行するには、それなりの理由がないと実行できない

犯人にとって致命的だったことは、久我が最終オーディションに参加していたことです。他の６人は劇団「水滸」の団員であり面識もあり苦楽を共にした「部活仲間」みたいな関係。しかし、久我は全くの無名の劇団に所属する人物。いわゆる部外者です。しかも推理小説が大好きで様々なミステリーを読破してきた久我は、このオーディションに本気で意気込んでいたのだ。事実、部屋には6人の相関図まであり真剣に、このミステリーを解決しようと意気込んでいました。久我は決定的な事に気づきます。最初の事件の笠原温子は、ヘッドフォンをしながらピアノを弾いた時にそのヘッドフォンのコードで絞殺されたとあったが、ヘッドフォンのコードはピアノから抜けていなかったことに・・・。これは6人いる劇団員の中に共謀者がいてシナリオ通りに動いているだけだという事も・・・。そして首謀者は誰かという事も・・・。さすがミステリー好きは違います。ある事故で麻倉雅美は半身不随になり車椅子生活になってしまいました。演技力はあるが演出家に中々認められず苦戦していた中、３人の団員のある行いにより、事故に巻き込まれて半身不随になってしまった麻倉は無念を晴らしてほしいと懇願し殺害を依頼しますが、３人に恨みもない人物にとって懇願されたからと言って「うん、分かった」と簡単に人を殺せないものです。しかも同じ劇団員ですよ。苦楽を共にした劇団員を殺せるはずはありません。サイコパスならできるかもしれませんが、一般的な常識がある人はできないと思います。彼女の無念を晴らす事と犯罪者にしたくなかった彼は考えます。最終オーディションを選考するという名目で、外部との接触を遮断された空間の中、殺人を実行するという麻倉が書いたシナリオ通りに殺害したように演技をし３人も殺されたように見せかける、舞台を演じるということを。３人を精神的に追い詰めて反省させるという目的もあったようです。最後は結構泣けました。「お前に簡単に生きろとは言えない、でも生きろ、生きてくれ」と言った彼の言葉に涙腺崩壊でした。2人は、どういった関係だったのか？関係描写はないけど、恋人だったのかもしれません。「お前の足になる」と麻倉に言える程の仲だったのだなと推測します。小説と映画では最後が違うようです。私は映画の終わりかたの方が好きだなと思いました。