TAR ター

2023年作 アメリカ映画 158分

観る人によって解釈が変わる映画。文学作品

最近は、平日に連休があるので暇つぶしにブラブラと散策をすることに決めました。平日の14時くらいには、どこも混雑しているのにはビックリしました。

ターの周りの人物描写

何の情報もなくオーケストラの作品という触れ込みだったので、観てみたのですが1回だけでは理解不能でした・・・。全てのシーンで(???)でした。まず、冒頭からエンドロールが4分ほどあり、配信で観ている分には早送りできますが、映画館だとそうもいきません。最初は「これはどういうこと?」と頭が追いつきませんでしたが、後から分かった事は、このエンドロールを最初に流した意図は、指揮者が特別に偉いのではなく、この映画に例えると、監督や主演俳優が特別に偉いのではなく、監督などをサポートしている人達あってこその作品なのだというメッセージなのだそうだ。そして、ターを取り巻く人物背景が詳しく描かれていないので、とても分かりにくいです。アカデミー賞6部門ノミネートと絶賛されるほどの作品とあり、どんな映画なのだろうと期待して観てみたのですが、欧米人の芸術に対する感覚が私には理解が出来ませんでした。なので、考察を見ることに・・・!!分かんねーよ!!と怒りながら検索したのです。しかし、皆さん、どこで、その人物背景を知ったんだ!というほど、詳しい‼!そして分かった事は、リディア・ターは、男社会の指揮者の世界で、ベルリンフィル初の首席女性指揮者となり7年間、絶大な権力と地位を保持してきた女性であり、多分それまでの尋常ではない努力と根性の結果、身も心も男になってしまったのではないかと事です。ターが女性であるから理解が難しかった事も、男性に例えると、とてもシンプルです。このストーリーは、男性に例えると女たらしが、女性を大切にしなかったが為に起きた、自業自得のストーリーなのでした。

驕りは身を亡ぼす

確かに、リディア・ターは才能もあり努力も惜しまない女性であるのは、周りも認めているし自分自身でも確信しているのだと思います。だが、ターには欠点がありました。それは傲慢さと過信です。ターの秘書代わりをしているフランチェスカは、副指揮者にしてくれるという約束で秘書をしているようなものです。ターは、それを良いように利用し感謝もせず、常に冷たく接します。フランチェスカとは昔は仲が良かったようですが地位を持つようになってからはターは少しずつ傲慢になってしまったのだと思います。そして姿をほとんど見ることがないクリスタ。クリスタはターによって音楽界から干されていました。クリスタとフランチェスカは仲が良く、嘆くクリスタを助けてほしいとターに懇願していましたが、ターはお構いなしの様子。それでも我慢してきたのは、副指揮者にしてくれるという約束があったからなのですが、その約束も破棄され怒り狂ったフランチェスカによって、クリスタにしたことや今までの悪事を世間にバラされて今までの地位や権力を失う羽目に。病院に行く暇もないほど、毎日慌ただしく生きてきたターは、あっという間に、暇を持て余す人間になってしまいました。と私は解釈したのですが、自由度の高い映画だということで、見る人によって何を伝えたいかが違うようです。ムズカシイ作品です・・・。

フランチェスカを蔑ろにした代償は、とてつもなく大きかった。身近な人ほど大切にしなくてはいけないとは分かっているけど、難しい・・・。

何もかも完璧だったのに、大切なものを見失っていたようです。

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